あるところに、人々が慎ましく穏やかに暮らす島がありました。
しかし、ある日突然、天変地異が島を襲ったのです。
火山が噴火し、大地は裂け、嵐が吹き荒び、河も氾濫し人々は恐怖に震えあがりました。
大人達が神の怒りだと震える中、子供達に不思議な力が現れたのです。
その力は荒れ狂う山や大地を沈め、嵐を弱め、河を落ち着かせていきました。
大人達は災いを鎮めた力を”魔法”と呼び、彼女達を称えました。
魔法の力は不思議なことに女の子にしか発現せず、
そして年老いていくほどその力は衰えていきました。
島に災いが訪れる度、魔法を使える少女達はその力で災いを鎮めていきました。
いつしか魔法を扱える者を中心にした小さな国「ヘクサ王国」が誕生したのです。
国王は災害から国と人々を守るため、強大な魔法を使える4人を賢者に任命し、
証となる指輪を与えました。
そして時は流れ――
第六代国王、クーニーは失意の底にありました。
彼女の腹心であり副王でもあるミニストが、何者かに殺害されてしまったのです。
殺人などめったに起きない小国で副王が殺害されたとなれば、国中が大騒ぎになってしまいます。
さらに奇妙なことに副王の死体に外傷はなく、微かに魔法の力が残っていました。
「これは、強い魔法の力を持つ者が彼女を亡き者にしたということ……」
これほどの魔法の力があり、さらに副王に近づける者となると数は絞られてしまいます。
国民に発表する前に、事件を解明する必要があると考えた国王は、4人の賢者を呼び寄せました。
「おそらく、この中に副王ミニストを殺した者がいます。
私はこの国のため、そして友であるミニストのため、真実を明らかにしたいと思っています」
果たして、賢者達は副王が殺害された真実を暴くことができるのでしょうか?